【介護サービスが必要になったら】介護の基礎知識(12)~グループホームとは?①入居条件や費用について~

はじめに
グループホームは認知症や身体・知的・精神障がいを持つ方が、専門スタッフの支援を受けながら共同生活を送る施設で、介護保険法に基づく「認知症対応型共同生活介護」や、障害者総合支援法に基づく「共同生活援助」といったサービスを受けることができます。
本記事では介護を必要とする高齢者向けグループホームについての概要や入居条件などについて解説いたします。
グループホームとは?
グループホームは認知症の方が少人数で共同生活を送りながら、認知症の進行を抑え、機能を維持することを目的とした施設です。
「認知症対応型共同生活介護施設」とも呼ばれており、専門スタッフの支援を受けながら自立した生活を目指し、住み慣れた地域で家庭的な環境の中、入浴や排せつ、食事などの日常生活の支援や機能訓練が行われます。
グループホームの特徴
グループホームは認知症ケアに特化した介護施設のため、認知症を発症していない方は入居できません。(参考までに、グループホームには認知症以外にも知的・身体・精神障がい者対象の施設もあります)
入居者はユニットと呼ばれる複数の居室と台所、食堂などで構成された生活空間で共同生活を送ります。入居者が家事などの役割を分担し、コミュニケーションを通じて自立した生活を目指すことを目的としています。
認知症の方は環境の変化に敏感かつ不安を感じやすい傾向がありますので、グループホームでは利用者を少人数に制限し、見慣れたメンバーで環境を構成することでアットホームな雰囲気を作り、穏やかな生活が送れるようにしています。
グループホームの費用
グループホームの月額利用料の相場
グループホームに入居する際の初期費用は施設によって異なりますが、主に入居一時金が必要です。
この入居一時金はアパートなどの敷金と同様に、施設を退去する際に一部が返還されます。
・入居時費用の相場…0~16万円
・月額費用の相場…8~13万円
月額費用は3つに分けられる
グループホームは初期費用を支払ってから入居がスタートし、入居後は居住費や食費などの費用を毎月支払います。
月額費用は大きく分けると次の3つに分類されます。
①日常生活費
②介護サービス費
③サービス加算
日常生活費については介護保険の適用外となっており、費用は全額自己負担です。
月額費用として必要になるのは家賃、共益費、食費、水道光熱費、その他(おむつ代・理美容代など)です。
①日常生活費の相場

②介護サービス費の自己負担額
介護サービス費は利用者の要介護度やユニット数に基づく「基本サービス費」と、施設の設備や提供されるサービスに応じた「サービス加算」で構成されています。
介護保険が適用されるため、自己負担は通常1割ですが、収入に応じて2~3割になることもあります。
グループホームの自己負担額は施設内のユニット数によって異なりますが、高額介護サービス費の対象となります。
介護サービス費に関して、自己負担額が1カ月の累計で定められた上限額を超えた場合、市区町村から高額介護サービス費の支給を受けることが可能です。
要介護度に応じた介護サービス費の1割の自己負担額の目安は以下の通りです。

③グループホームのサービス加算
サービス加算は基本的なサービス費に加え、サービス提供の時間帯や緊急性、延長料金、介護職員の体制強化、資格保有などに基づいて事業者が受け取る追加的な介護報酬を指します。
特にグループホームにおいては、看取りへの対応や職員の人数を増やすことで手厚い介護体制が整えられ、これに伴い利用者にはサービス加算としての負担がかかります。
サービス加算の代表的なものとして、次の5つが挙げられます。
※サービス加算の内容や金額は施設ごとに異なるため、入居前に確認をお願いいたします。
・初期加算
・認知症専門ケア加算
・夜間支援体制加算
・医療連携体制加算
・看取り介護加算
ユニットとは?
ユニットはグループホームにおける定員を示す単位で、1ユニットは5~9人で構成されています。
利用者は入居後、同じユニットの他の入居者と共同生活を行います。
一般的にはグループホームでは2ユニットが設けられ、最大で18名の定員となることが多いです。
グループホームの入居条件
①65歳以上の高齢者で、要支援2~要介護5の認定を受けている方
②医師により認知症の診断を受けた方
③施設と同じ市区町村に住民票がある方
④集団生活に支障のない方
65歳未満でも特定の疾病を持っている場合、入居可能な施設があることがあります。
入居を希望する際は、事前に施設にお問合せ下さい。
共同生活が難しい場合は入居拒否や退去になる場合も!?主な退去要件とは?
グループホームへの入居には他の入居者との共同生活が円滑に行えることが必要です。
もし暴言や暴力などで他の入居者に迷惑をかける行為が認められた場合は、退去になる場合もあります。また、重度の要介護者や医療的ケアが必要な方、感染症を持っている方も入居を断られる可能性があります。
主な退去要件は以下の通りです。
・暴力、暴言、自傷行為
・他の入居者への迷惑行為
・重度の医療的ケアが必要となった
・長期入院
・料金の支払いができなくなった
グループホーム退去後の行き先は?
一般的にグループホームでは退去勧告から90日間の予告期間が設けられていますので、その間に次の施設を探し、転居の手続きを進めましょう。
グループホームを退去した後の移行先として、病院や特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホームが一般的です。
家族と同居するケースもありますが、在宅では介護が難しいと感じる方も多くおられます。
特別養護老人ホームは費用が比較的安いですが、入居待ちが多く、スムーズな移行が難しい場合があります。そのため、特養への入居待ちの間に介護付き有料老人ホームを利用する方も少なくありません。
生活保護でも入居が可能な施設もある?
生活保護を受けている方でも、生活保護法に基づく指定を受けたグループホームに入居することが可能です。入居を希望する場合は、まずそのグループホームが生活保護法の指定を受けているかどうかを確認することが重要です。
ポイントは下記の3つです。
①生活保護法による指定を受けたグループホームであるかどうか
②生活保護対応の居室が何室用意されているのか
③グループホームと同じ所在地に住民票があるか
おわりに
今回はグループホームの概要と入居の条件、必要とされる費用についてまとめさせていただきました。
次回の記事ではグループホームで受けられる具体的なサービス内容と入居した際のメリット・デメリットについて解説させていただきます。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。
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過去の記事をまとめております。よろしければご参照ください。
参考リンク
厚生労働省
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group18.html
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000150450.pdf
公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/kaigo-seido/chiiki-service/group.html