アンガーマネジメントとは、
怒りやイライラなどの感情を整理し、コントロールするためのスキルです。
怒りをなくす方法、怒らなくなる方法を身に付けるスキルではありません。
怒りの感情は身を守るための自然な感情であり、
適切にコントロールすることがアンガーマネジメントに取り組むための重要な要素です。
怒りの発生メカニズムを理解し、自身の傾向を正しく認識することが、
怒りを上手にコントロールするための鍵となります。
アンガーマネジメントにより、
良好な人間関係や職場でのチームワーク・生産性の向上が期待できます。
以上のようにアンガーマネジメントには沢山のメリットがありますが、
怒りというのは一体どのようにして湧くのでしょうか。
日常生活を送る中で、私たちは怒りを感じる瞬間が度々あるかと思います。
怒りを感じると、自分自身も穏やかな気持ちではなくなってしまいます。
怒りは、悲しみや悔しさ、不安などの感情が心の中に蓄積され、
その容量を超えると「怒り」として表に現れます。
怒りの根底に絡み合う感情のことを「一次感情」といいます。
この一次感情が容量を超えると、心身に悪影響を与える可能性があります。
しかし怒りは混沌とした思いを発散し、防衛反応の役割を果たすという側面もあります。
「怒り」という感情は時間経過で消えてなくなるわけではありませんが、
アンガーマネジメントによって上手にコントロールすることが可能です。
次は怒りを乗り切る方法についてご紹介いたします。
人は怒りを感じてから、理性を司る大脳新皮質の前頭葉で
感情をコントロールできるまでに、およそ6秒かかるといわれています。
怒りが湧き上がると、感情的な言葉や態度になり、相手に過度な怒りをぶつけてしまいがちです。
しかし、怒りが湧いても6秒間抑えられれば冷静な思考を取り戻せるでしょう。
感情を抑えるために、怒りを感じた時には思考を一時停止することが有効です。
例えば、怒りを感じるメールを見た場合、
一時的に画面全体を閉じることで、思考を停止しやすくなります。
意識的に思考を止めることで、怒りによる行動を抑制する効果が期待できます。
怒りが収まる魔法の言葉を心の中で唱える方法です。
「大丈夫」「落ち着こう」「明日には忘れるだろう」など、
自分が落ち着けそうな言葉をあらかじめ用意しておきましょう。
怒りを感じた時に、その怒りを数値で表現することで、自分を客観的に見る手助けとなります。
例えば10段階などで数値化することで、自分の怒りの傾向をより明確に把握できます。
怒りが湧いてきたと気付いた瞬間に、
全く関係のない別のものに注目し、意識をそらす方法です。
怒りを感じた時、相手のことではなく、他の何かに意識を向けることが効果的です。
例えば、上司から非難を受けている場合は、
時計や部屋の壁など、目に入る物に意識を集中させます。
最初の6秒間は特に意識を集中させることが大切です。
どうしても怒りが収まらない時は、その場を離れましょう。
廊下に出たり、トイレに行ったりしてもよいでしょう。要は、流れを変えることです。
物理的に距離を取り、時間をかけて冷静さを取り戻すことが大切です。
怒りが収まらない場合、無理に続けるよりも、一度立ち止まって仕切り直す方が良いでしょう。
これによって、時間や労力を無駄にすることが避けられます。
最後にアンガーマネジメントの具体的な実践方法をご紹介します。
怒りを感じた時は、深呼吸をしてみましょう。
深呼吸にはリラックス効果があり、深呼吸をすると、副交感神経が優位になるため、
落ち着きや冷静さを取り戻すことができます。
4~5秒かけて息を吸い、10秒程度かけて吐くことを意識してみましょう。
ポイントは呼吸やカウントに集中することです。
アンガーログとは、怒りに関する情報を記録したものです。
日時や場所、怒りの程度などを記録することで、自分がどのような状況で怒りやすいのかを把握できます。
このようにパターンを把握することで、自分の怒りに対処しやすくなるでしょう。
怒りを感じた際には、不満を述べるのではなく、
相手に「こうしてほしいと」具体的なリクエストの形で伝えることが効果的です。
例えば「今でも満足していますが、期日をもう少し早めてもらえるとありがたいです」など、
具体的に要望を伝えます。
怒りは周囲に広がる可能性があり、仕事への集中力低下やパワーハラスメントの原因になることがあります。
アンガーマネジメントを身につけることで、怒りの感情と上手く付き合うことができ、
業務上のコミュニケーションが円滑になったり、組織全体の生産性の向上にもつながります。
興味を持たれた方は、アンガーマネジメントを試してみてはいかがでしょうか。
Engineer Labo
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