
花や草木の香り、野菜や果物の香りなど、私たちの周囲は色々な種類の香りに包まれています。
山など木々の多い場所へ行き、自然の中で過ごすと森林の香りに癒されるという方も多くおられます。
またそのような香りのリラックス効果を利用して、入浴時や就寝時、在宅ワークの時などに、お気に入りの香りを活用される方も多いのではないでしょうか。
このように、香りは私たちの生活に潤いを与え、心や身体を整えるためのさまざまな効果をもたらしてくれるのであります😊
アロマテラピーとは、植物の香りを利用して心と身体のバランスを整える自然療法で「芳香療法」とも呼ばれています。
この言葉はフランスの調香師であり化学者のルネ=モーリス・ガットフォセによって、アロマ(芳香)とテラピー(療法)を組み合わせて作られた造語です。
アロマテラピーは自律神経を整えたり、リラクゼーションやストレス軽減に効果があり、疲れた心身を癒す効果があります。
香りの成分が嗅覚によって感知されると、その香りは電気信号に変換されてそのまま人間の感情や本能、記憶をつかさどる大脳辺縁系に伝わり、さらに大脳辺縁系へ伝わった電気信号は視床下部へと伝わります。視床下部は自律神経やホルモン分泌、免疫の働きを調整している場所であり、アロマテラピーでは使用する精油※の香りがそれらに働きかけることで効果が現れます。
人間の五感の中で、嗅覚は唯一大脳辺縁系へ直接働きかけ、最も早く脳に伝わる本能的な「感覚」であり、「香りは脳に直接届く」と考えられています。
そのため、香りを通じて昔の思い出や感情を呼び起こすことができるのも、嗅覚が記憶を司る大脳辺縁系と直接つながっているためだそうです。
心地良いと感じる香りを嗅ぐだけでも、リラックスやリフレッシュの効果が得られます。
※精油とは?
精油(エッセンシャルオイル)とは自然植物の花、葉、果皮、果実、木根、種子、樹皮などから抽出した天然の素材で、有効成分を高濃度に含有し、それぞれの植物特有の芳香と機能を持った揮発性の油を指します。
ここからはアロマテラピーで使用される代表的な精油の効果について、いくつかご紹介いたします。
1.自律神経を整える
自律神経の交感神経が優位になると血管が収縮して血流が悪化するため、頭痛や肩こり、動悸などの
不調が生じやすくなります。
研究によると、さまざまな効果を持つアロマの精油の中でも、鎮静効果のあるアロマは自律神経系に
影響を与え、副交感神経を優位にすることができると示されています。
鎮静効果のあるアロマとしては、ラベンダー、ゼラニウム、ベルガモット、イランイラン、カモミール、ネロリなどです。
2.ホルモンの分泌を調整する
アロマの香りはオキシトシンやエストロゲン、セロトニンなどのホルモンの分泌を促進する効果があるそうです。
特にオキシトシンは不安やイライラを和らげてドーパミンやセロトニンの分泌を促進する働きがあり、オキシトシンがドーパミンの分泌を増やすことで、仕事や勉強のやる気や集中力を高め、また、セロトニンの分泌を促すことで心の安定をはかります。
ホルモン調節効果のあるアロマは、ローズ、ゼラニウム、クラリセージ、ネロリなどがあります。
3.免疫活性化作用
アロマの中には免疫力アップが期待できる成分が多く含まれているものがあります。
免疫活性化作用のあるアロマとしては、ティートリー、ラベンダー、カモミール、サンダルウッド、
ライム、レモンなどがあります。
4.消化・食欲増進作用
レモングラス、オレンジ、レモン、ペパーミント、ミントなどの香りは胃腸の働きを活発にして消化を促進します。食事の前にこれらの香りをハンカチなどに移して嗅ぐことで、胃腸の働きを整える効果が期待できます。
この他にもアロマは睡眠の質の向上や気分転換など、心身のバランスを整えるための様々な効果をもたらしてくれます。
アロマオイルを選ぶ際は天然成分100%のものを選びましょう。
人工的な香りが混ざっているとオイルの劣化や効果が低下する可能性があるため、パッケージで必ず確認しましょう。
香りを手軽に楽しむ方法として、ハンカチやティッシュに一滴たらす、またはお湯を入れたカップに数滴加える方法があり、机に置くだけでも香りを楽しむことができます。
部屋全体に香りを広げたい場合はアロマポットやアロマディフューザーがおすすめです。
その他にはアロマキャンドルやアロマ香水、アロママッサージ、アロマバスなどの楽しみ方もございます。
アロママッサージを行う際は、アロマオイルの濃度に注意しましょう。
濃度が高すぎると肌トラブルを引き起こすことがあるため、必ずベースオイルで薄めてから使用しましょう。ベースオイルはホホバオイルなどがおすすめで、原液を直接肌に塗ることは避けましょう。
⚠アロマテラピーの注意点⚠
心身のバランスを整えるアロマテラピーには様々な楽しみ方がございますが、使用される方の身体のコンディションや体質、持病などにおいて使用に注意が必要、または禁忌扱いの精油がございますので、取り扱いの際には以下の点に注意したうえで使用をご検討ください。

こちらでは心身に優しく働きかけてバランスを整える作用が高く、香りの面でも人気が高い代表的なアロマをご紹介いたします。

在宅勤務中に集中力を高めたいという方には、前述のようなリラックス系のアロマよりも自律神経に働きかけるタイプの香りが効果的です。

アロマテラピーで使用される精油には他にも色々な種類がございますが、今回はその一部をご紹介いたしました。
アロマオイルを選ぶ際は、香りの好みで選んでも、期待できる効果や効能で選んでみても、どちらでも大丈夫です。アロマテラピーはただ心地よいと感じる香りを嗅ぐだけでも、さまざまな良い効果をもたらしてくれます。
人間は本能的な感覚にその時の心身の状態を反映させることができると言われていますので、ご自身の五感をフル活用して、その時のコンディションにベストなアロマをチョイスしてみましょう。
香りの楽しみ方も使う目的も人それぞれ、とても簡単な方法で手軽に始められるアロマテラピー。
正しい知識を持って、ぜひお好みの香りで心身のケアをしてみてはいかかでしょうか😊