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障がいがあっても長く働くためのコツ|職場定着率を高める工夫とアイデア

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はじめに

今回は「障がい者雇用」での職場定着率と、一般企業での職場定着率を比較し、
どのような条件で、どのような工夫をすれば、
長期的に働き続けられるかということをテーマにしました。

「障害を持っている人は就職しても長く働き続けられない」「すぐに辞めてしまう」
といったイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。

職場定着率については、障がい者側だけの問題ではなく、
職場の環境や、共に働く方々の意識も大きく関わっています。

障がいの有無に関わらず、互いに働きやすくなるにはどのような工夫が必要か、
考えるきっかけとなれば幸いです。

障害者雇用で働く障がい者の平均勤続年数はどれくらい?


厚生労働省の調査によると、障がい者の平均勤続年数は以下のようになっています。

障がい種別平均勤続年数(前回→今回)増減
身体障がい者10年2カ月 → 12年2カ月+2年
知的障がい者7年5カ月 → 9年1カ月+1年8カ月
精神障がい者3年2カ月 → 5年3カ月+2年1カ月
発達障がい者3年4カ月 → 5年1カ月+1年9カ月


このようにどの種別でも前回調査より平均勤続年数が増加しています。

厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査」
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001233719.pdf

一方で、一般企業への就職後の定着率は…

厚労省の調査によれば、一般企業への就職後の定着は下がっています

精神障がいの方は半数以上、知的障がいの方では4割、身体障がいの方も3割以上が、
1年未満で離職するということが分かっています。

障がい種別ごとの一般企業への就職後の職場定着状況

(引用:厚生労働省 障害種別ごとの一般企業への就職後の職場定着状況 )

仕事を辞めることなく続けるコツ

会社に必要な配慮を伝える

配慮を求める際、遠慮や引け目を感じることもあるかもしれませんが、
必要な配慮ははっきりと伝えるべきです。
その配慮によって自分が最大限の能力を発揮でき、
会社や社会への貢献につながるのなら、それは互いにとって有益なことです。
積極的に「長期的に働いて、貢献していきたいので配慮をお願いします」と伝えましょう。

配慮を伝える場合は、具体的に伝えるとともに、
自分はどのような工夫をするのか、その配慮をお願いすることで何が出来るようになるのかなどを、
障がいを持たない人にもわかりやすいように伝えることが大切であるかと思います。

障害配慮事由については、こちらの記事も併せてご覧ください。
Excelで「障がい者求人向け履歴書」を作成する方法【後編】  登録不要でダウンロードできる!

相談できる相手を見つけておく

転職・退職を決断する前に欲しかったフォローや対応として
「相談できる人・場所・機会」などが挙がっており、相談したくても出来なかったという方が多いようです。

このようなことを防ぐために大切なことは、日頃から相談ができる体制を築いておくことです。

相談相手は目をかけてくれる先輩、同期、人事、定着支援の方など誰でも良いです。
また、普段からコミュニケーションをとっておくと、
「質問できず分からないまま進めてしまい、業務を正しく行えない」
「体調が悪くても言い出せず悪化させてしまう」といったことも防げます。

障がい配慮として、前もって相談する人や場所を明示してもらうことも、
就労における安心感につながるかもしれません。

自分らしさ、自分のペースを忘れない

最も重要なのは「体調の安定」です。
「自分の体調と仕事をバランスよく保つこと」が必要です。

日々の調子を確認し「自分のペース」を見つけることが重要で、
体調に応じて業務を調整することや周囲に自分のペースを伝えることも大切です。

自分の体調に合わせたペースを決めたら、
周囲に「現在の体調が〇〇なので、このペースで業務を進めたいと思っています」と伝えるだけで、
状況が良い方向に変わることがあります。

自分にあった(自身の特性にあった)仕事を選ぶ

自分にあった仕事とは自分の特性に適した仕事のことです。
そのため、自分の得意なことや苦手なことを把握することが肝心です。

特性はそれぞれ固有のものであるため、自分の特性と仕事内容が適合しているか、
また自分なりの工夫で克服できるかどうかを考えることが極めて重要です。

特性と仕事内容の適正が合わないと、仕事での苦労やストレスが蓄積し、
仕事を辞めざるを得なくなる可能性が高まります。

障がいの特性に合った職場や支援

身体障がい
健常な人には何ということのない段差も、身体障がいをもつ方にとっては大きなハードルとなります。
働く前に「車いすが通りにくいところはないか」
「通路やトイレなどのスペースは十分か」などの職場環境をチェックしましょう。

知的障がい
知的障がいを持つ方の場合は、読み書きや言葉でのやり取り、
仕事の内容を理解することなどに難しさを感じる方もいます。
その場合は上司に「情報をシンプルに、本人が受け取りやすい形で伝えてもらう」
「理解度を確かめてもらいながら、ゆっくり覚える」などの配慮をしてもらいましょう。


精神障がい
精神障がいを持つ方は、感情の変動が大きく、心身ともに気圧や気候の影響を受けやすい傾向にあります。
認知面でも特性があり、些細なことを重く受け取ったり、言葉を思い違えたり
することがあります。
また、気分の波が大きく、「0か100か」という極端な考え方を持つ方もいます。

精神障がい者の定着率は低く、小さな失敗やトラブルで出社できなくなり、辞めるケースも多いため、
心身の安定を第一に考え、日頃からコミュニケーションをとることを心がけましょう。


発達障がい
発達障がいを持つ人は、特定のことに集中しすぎたり、逆に気が散りやすい傾向があります。
タイマーを使った業務の配慮など、仕事を円滑に進めるための方法を試すことが有効です。
視覚的な情報が理解しやすいため、絵や文字で伝えることも効果的です。
また、マニュアルを作成して常に参照できるようにすることも役立ちます。

場面に応じてさまざまな支援機関を有効に活用する

厚労省のデータによると、就職後、支援機関の「定着支援」の有無によって、
障がい者の職場定着状況が大きく変わることが分かっています。

データによると「定着支援あり」の離職率は
「定着支援なし」より平均して20%ほど少ないことが分かっています。

定着支援とは職場に定着して就労が続くよう、
継続的に本人とコミュニケーションをとって相談を受け、必要な対応を行う
「障害福祉サービス」の一つです。

働く目的を明確にする

仕事での困難や失敗が積み重なり、ふと「仕事辞めたい」と頭に浮かぶこともあるでしょう。
しかし毎日が充実している人は稀であり、誰でも失敗や評価してもらえないことを経験しています。
そのような時に重要なのは、働く目的を持つことです。

家族のため、スキルアップ、自己成長、経験を活かす、他人の助けとなるなど、
様々な目的を持つことで前向きになることができます。

事実と感情を分け、落ち込みすぎないようにする

メンタルの疾患を持つ人は、些細な言葉でも深く傷つくことがあります。
そのような場合には、感情に左右されない「鈍感力」を身につけることが大切です。

将来についての不安や失敗による落ち込みもあるかと思いますが、
事実と感情を分けて考えてみてください。
自分のミスを分析し、次の改善点を見つけるために紙に書き出すことも効果的です。

おわりに

障がい者雇用の離職率はまだ高い状況にありますが、
上記のように会社とコミュニケーションを取ること、適切なサポートを受けることや
セルフケアによって状況を改善することができます。

一人で何もかもを抱え込もうとせず、心身を大切にしながら働いていきましょうね。

参考リンク

Media116 【大切な3つのこと】障害者雇用で長く働くために
https://www.media116.jp/work/9641

Fukushi News 「辞めない」障害者雇用!離職を防ぎ定着率UPさせる3つのコツ
https://fukushi.tv/media/work/3kotsu/