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社会人におすすめの資格 C言語プログラミング能力試験
2025年12月17日(水) |

C言語プログラミング能力認定試験の概要とキャリアアップ・転職における利点、AI技術との関係性のご紹介

本記事ではC言語プログラミング能力認定試験について、次の6項目をご紹介します。

  • C言語プログラミング能力認定試験とは
  • キャリアアップ・転職における3つの大きな利点
  • AI技術の習得にもつながる
  • 試験対策のポイント
  • C言語の実行ツールについて
  • 学習時間の目安


C言語プログラミング能力認定試験とは

株式会社サーティファイが主催する民間の検定試験です。

C言語のスキルを客観的に証明できる、IT業界で広く知られた資格です。

この試験は、受験者のレベルに応じて3級、2級、1級の3段階に分かれています。

3級 C言語の基本的な概念を理解し、簡単なプログラムが書ける(入門レベル)。

多肢選択式(筆記/Webテスト)

2級 小規模なプログラムが適切に書け、基本アルゴリズムを理解している(実務の初歩レベル)。

多肢選択式(筆記/Webテスト)

1級 C言語を駆使して応用プログラムが作成でき、OSについての理解もある(上級プログラマレベル)。

実技試験(PC使用)

特に1級は、提示された大規模なプログラムに対して仕様変更や追加を行う実技形式となっており、極めて実践的な能力が問われます。


キャリアアップ・転職における3つの大きな利点

C言語は「古い」と言われることもありますが、その基礎知識と資格は、ITエンジニアとしてのキャリアにおいて現在でも強力な武器となります。

スキルの客観的な証明になる

資格を取得することで、「C言語を学んだ」というだけでなく、「このレベルのC言語スキルがある」ということを履歴書で明確に示せます。

特に2級以上は、プログラミング能力を客観的に評価する指標として企業に認知されており、採用選考時に有利に働きます。

就職・転職先の選択肢が広がる

C言語は、組み込みシステム(家電、車載システム、産業機械など)やOS開発、ロボット制御といった、高い実行速度とハードウェアに近い制御が求められる分野で、今もなお基幹技術として使われています。

この資格を持つことで、これらの需要の高い分野へのキャリアチェンジがしやすくなります。

プログラミングの「基礎体力」が身につく

C言語は、メモリ管理(ポインタ)、データ構造、アルゴリズムなど、コンピュータサイエンスの根本原理を深く理解するための学習に適しています。

この基礎体力は、JavaやPythonなど他のプログラミング言語を習得する際にも圧倒的なアドバンテージとなります。

AI技術の習得にもつながる

AI(人工知能)技術というとPythonが主流ですが、C言語の知識は、より深くAI技術を理解し、スキルアップを図る上で非常に重要な役割を果たします。

AIの「土台」を理解できる

AI開発で使われるPythonのライブラリ(例:NumPy,TensorFlowなど)の多くは、高速な処理を実現するために内部でC言語やC++で書かれています。

C言語を理解していれば、これらのライブラリがどのように動いているか、メモリをどう効率的に使っているかを深く理解でき、トラブルシューティングや最適化に役立ちます。

組み込みAIやエッジAI開発に必須

AIをスマートフォンやクラウドではなく、センサーやカメラなどのデバイス単体(エッジデバイス)で動かす「エッジAI」の需要が高まっています。

これらのデバイスはリソース(メモリや処理能力)が限られているため、C言語による高速かつ省メモリなプログラミングスキルが不可欠となります。

アルゴリズムとデータ構造の強化

AIの根幹は、数理的なアルゴリズムと効率的なデータ構造です。C言語の学習では、ポインタを使った複雑なデータ構造の管理や、ソート・探索といった基本アルゴリズムをゼロから実装します。

この経験が、機械学習の仕組みや効率的な実装を学ぶ際の強力な土台となります。


試験対策のポイント

級によって求められるレベルや学習時間の目安が異なります。

3級(初心者向け)

公式テキストや定評のある入門書で、変数、演算子、条件分岐(if文、switch文)、繰り返し(for文、while文)、配列、関数といった基本文法をしっかり理解しましょう。

過去問題や問題集を使って、出題形式に慣れることが重要です。

実際にパソコン上で簡単なプログラムを書いて動かす練習を繰り返し、文法の使い方を体で覚えましょう。

2級(実用レベル)

3級の知識に加え、ポインタ、構造体、ファイル操作、メモリ管理など、C言語特有のより深い知識が求められます。

これらの応用的な概念を徹底的に理解し、使いこなせるようにします。

特にポインタは多くの受験者が苦手にしやすいため、時間をかけて学習しましょう。

少し複雑なアルゴリズム(並べ替えなど)をC言語で実装する練習も取り入れましょう。

1級(専門・実務レベル)

2級までの知識を土台として、大規模なプログラム設計、データ構造とアルゴリズム、効率化(パフォーマンス)、そしてプログラムの変更・追加への対応力といった実務的なスキルが問われます。

実技試験対策として、与えられた仕様に基づき、実際にプログラミング環境でC言語のプログラムを時間内に完成させる練習が必要です。

単なる文法知識だけでなく、プログラムの可読性や保守性も意識したコードを書く訓練が重要です。


C言語の実行ツールについて

1.統合開発環境(IDE)

プログラミングに必要な「エディタ(コードを書く)」「コンパイラ(機械語に翻訳する)」「デバッガ(エラーを探す)」などの機能がすべて一つにまとまったソフトウェアです。

VisualStudioCode(VSCode)|などがあります。

2.テキストエディタ+コンパイラ

「コードを書くツール」と「コンパイルして実行するツール」を組み合わせて使う方法です。

無料のテキストエディタにはには、VisualStudioCode(VSCode)、Atom、SublimeText、TeraPad、サクラエディタなどがあります。

無料のC言語コンパイラには、GCC(GNUCompilerCollection)などがあります。

オンライン実行環境

カンタンなプログラミングの実行やコードの拡張に便利という良さがあります。

実行環境としては、paiza.IOやC++Shellなどがあります。


学習時間の目安

学習時間は個人の経験や学習ペースに大きく左右されますが、一般的に言われている目安は以下の通りです。

3級

プログラミング初心者の場合、合格には約110時間程度の学習時間が必要とされています。

これは、1日2時間勉強すると約2ヶ月(55日間)かかる計算です。

2級

3級取得者やC言語の基礎知識がある場合、約100時間程度の学習時間が必要とされています。

1級

2級取得者が受験する場合、合格には約70時間程度の学習時間が必要とされています。

1級は実務経験やそれに相当する応用的な学習が求められるため、2級からのステップアップであっても、合計の学習期間は長くなる傾向があります。

これらの時間はあくまで目安です。

学習する際は、理解度を確認しながら進めることが最も大切です。

時間をかけても理解が浅いままでは意味がないため、問題集や過去問を解いてアウトプットの質を高めるように意識しましょう。


終わりに

C言語プログラミング能力認定試験の学習は、AI時代に求められる「基礎力」と「応用力」を同時に身につけるための、最も堅実な一歩と言えるでしょう。

現職でのキャリアアップや転職を検討している方は、学習や受験をしてみてはいかがでしょうか。