
夜は仕事で疲れていたり、自分の時間を楽しみたい、などが理由でお風呂に入ることが面倒だと感じる方も多いのではないでしょうか。
忙しい時はシャワーだけですと早く済ませられますが、入浴をシャワーだけで終わらせずにしっかりと湯船に浸かることで、心身ともにさまざまな良い効果が得られます。
疲れている時だからこそ、湯船に浸かって心身の疲労を回復しませんか?
今回の記事では入浴における様々な健康効果とおすすめの入浴方法についてご紹介いたします😃
入浴には主に3つの健康作用があり、これらの要素が複合的に作用して、健康効果を生み出します。
1.温熱作用
温かいお湯に浸かることで体が温まって血管が拡張し、血液やリンパ液の流れが改善されます。すると体全体に酸素や栄養が行き渡り、新陳代謝が活発化してリフレッシュ効果が得られます。
また、温かいお湯に浸かると副交感神経が優位になり、心が落ち着いて寝つきも良くなります。良質な睡眠を得ることは、体力の回復にもつながります。
2.静水圧作用
湯船に浸かることで全身に水圧がかかり、重力によって下半身に溜まりがちな血液が心臓に戻りやすくなります。また、水圧が滞留した血液を押し戻すため、足のむくみを解消する効果もあります。
さらに水圧によって全身の血液の流れが改善され、新陳代謝も活発になります。
3.浮力作用
入浴時は浮力によって重力の影響が軽減されるため、関節や筋肉の緊張が緩和されて体重による負荷が軽減します。すると筋肉の緊張がほぐれて血行も良くなるため、特に腰痛の緩和には効果的です。
また、入浴時に得られる浮遊感がリラックス効果をもたらし、開放感を与えてくれます。
リラックス・ストレス解消・安眠効果に
入浴は血行を促進し、体を温める効果があります。体が温まると自律神経に影響を与え、リラックス効果やストレス解消につながるとされています。
38~40℃程度のぬるめのお湯に20~30分浸かることで、副交感神経が優位になってリラックスし、
寝つきが良くなります。長湯が苦手な方は、体に負担の少ない半身浴もおすすめです。
肩こり・腰痛の改善に
温かいお湯に浸かることで筋肉や腱、靭帯が緩み、ほぐれやすくなります。
また、温熱作用によって新陳代謝が活発になり、肩こりや腰痛、体や関節のこわばりからくる痛みの軽減や疲労回復につながります。
筋肉の疲労回復に
入浴によって血流を改善することは筋肉の疲労回復には非常に効果的です。
また、湯船に浸かりながらのストレッチもおすすめです。入浴中は温熱作用により筋肉の柔軟性が向上するため、体が硬い方でもストレッチを行いやすくなります。
ただし、激しい運動の直後やズキズキと筋肉が痛む場合は入浴は避けましょう。特にお湯が熱いと心拍数が増加して血圧が急激に変動する可能性があるため、運動後は30分から1時間休憩し、必ず水分補給を行ってから入浴しましょう。
入浴のタイミング
快眠や疲労回復に最も効果的な入浴のタイミングは、就寝の1~2時間前です。
人間は体温が高い状態では安眠できず、眠りの質が低下してしまいます。そのため、お風呂に入ることで体温を一時的に上げたら、その約1時間半後に体温が下がるため、このタイミングで眠りにつくと質の良い睡眠をとりやすくなるでしょう。
最適なお湯の温度
リラックスやストレス解消に最も効果的な温度は約40℃と言われています。
熱すぎない温度にすることでリラックス効果を促進し、副交感神経が優位になる状態を作り出します。もし40℃が熱く感じる場合は、38℃などさらに低い温度に設定するなどし、その時の自分のコンディションに合った快適な湯温で入浴をしましょう。
効果的な入浴時間
全身浴は10分~15分ぐらいがおすすめです。
長時間の入浴は、のぼせやめまいのリスクがあるため注意しましょう。湯量は肩まで浸かる程度が理想で、肩まで浸かることで温熱効果や静水圧効果、浮力効果を効率的に得ることができます。
ただし、心臓や肺に疾患がある方は体への負担を軽減するために、湯温はぬるめの約38℃に設定し、湯量はみぞおちまで浸かる半身浴がよいでしょう。
寒い時期はヒートショックに注意!
冬場の寒く、冷えた脱衣所で衣服を脱ぐと、急激な温度変化によって交感神経が刺激されて血圧が大きく変動し、脳や心臓に負担がかかって健康被害を及ぼしてしまいます(ヒートショック現象)。
予防策としては、浴室や脱衣所を事前に温めておくことや、湯船に入る前にかけ湯をしておきましょう。かけ湯をする際は身体の急激な温度変化を避けるため、最初は必ず心臓から遠い手や足などから行いましょう。
食事の直後やお酒に酔った状態での入浴に注意!
食事の直後は消化管に必要な血液が体の表面に集中し、消化器への血液供給が減少します。
そのため、食事の直後に入浴をすると消化不良を引き起こしやすくなります。
また、飲酒後は体がアルコールの代謝に集中しているため、このタイミングで入浴をしてしまうと血液が内臓ではなく体表に集中してしまい、アルコールの代謝速度が遅れてしまいます。
「飲酒後に入浴をすると酔いが醒める」とお考えの方もおられると思いますが、これは全くの逆効果で、人によっては酔いの回りが早くなったり、血圧の低下や心拍数の増加を引き起こして健康被害を及ぼしてしまう可能性があります。
入浴前後は必ず水分補給をしよう!
入浴中の発汗に伴い、入浴時は体内から大量の水分が失われるため、脱水症状を防ぐことが重要です。
入浴の前後には、しっかりと水分補給をしましょう。その際はジュース類やカフェインを含む飲み物ではなく、水やお茶、水分とミネラルを補給できるスポーツドリンクや経口補水液などが適しています。
入浴にはシャワーだけでは得られない多くの健康効果があります。
衛生面ではシャワー浴だけでも十分ですが、湯船に浸かることは疲労回復以外にもストレスの解消やリラックス効果を得られるため、セルフケアの一環として「湯船入浴」を毎日のルーティーンに取り入れてはいかかでしょうか。
お気に入りの入浴剤やバスグッズを使ったり、アロマを活用して浴室の香りや照明にこだわってみると、さらに入浴の楽しみが増して、より一層リラックスした空間で心身を整えることができるようになります。
体調によっては入浴が面倒になる時もあるとは思いますが、日々の疲れた心と身体をほぐしてあげるためにも、お風呂タイムを日常生活の中で心地良いひとときを提供してくれる大切な時間に変えて、心も身体も浄化させてあげましょう😊