
夜寝たはずなのに「疲れが取れない」「朝からだるくて気力がわかない…」といった不調に悩まされている方はいらっしゃいませんか?
このような症状を長期にわたって抱えていると、疲れがどんどん蓄積してしまいますよね😔。
朝から疲労を感じたままでは日中の活動に支障をきたし、何事にも集中力を欠いて作業効率も悪くなってしまいます。さらに、このような状態を放置したままでは体調も悪くなり、何をするにも意欲的になれず、メンタル面にも悪影響を及ぼしてしまいます。
今回は寝ても疲労感が残る原因を探り、活力のある毎日を過ごせる方法をご紹介いたします。
そもそも疲労とは心や体に過度な負荷がかかることにより、日常的な活動能力が下がってしまう状態のことです。疲労は誰にでもあると軽視されがちですが、実は体の異常やオーバーワークを示す重要なサインなのです。痛みや発熱と同様に、疲労は「体からの警告」を示すもので、見逃すと健康に深刻な影響を及ぼす可能性もあります。
疲労の原因は下記のとおり大きく3つに分けられます。
①肉体的疲労
立ち仕事では体力的な負担がかかりやすく、逆に座りっぱなしのデスクワークでは血流が滞り、だるさを感じることがあります。また、不規則な生活や夜更かし、夜勤などによって生活リズムが崩れると、疲れが蓄積しやすくなります。さらに、女性はホルモンバランスの変化も疲れを感じやすくなる要因の一つになります。
②精神的疲労
主な原因はストレスからくるもので、人間関係や仕事、試験などの様々なプレッシャーが緊張状態を引き起こします。この緊張が続くと、自律神経のバランスが乱れることがあります。自律神経は無意識に呼吸や消化、心臓の動きを調整し、活動時には交感神経、休息時には副交感神経が働きます。しかし、ストレスによって交感神経が優位になると、眠りが浅くなったり、イライラしやすくなり、「心の疲れ」が蓄積してしまいます。
③脳疲労
脳の疲れは、長時間の情報処理や神経の緊張によって引き起こされます。特にパソコンやスマホの使用、注意力を要する作業、学習、思考を繰り返すことで脳が酷使されます。インターネットとスマホの急速な普及により、私たちは以前よりも多くの情報に触れる機会が増えています。さらに求めていない情報までが大量にインプットされることで、脳の処理能力が追いつかなくなっている状態で、その結果、脳疲労が起こってしまいます。情報過多の時代において脳の健康を保つためには、情報の選別やデジタルデバイスの適切な取り入れ方が重要になります。
細胞のエネルギー不足
人間の細胞はエネルギーを自ら生成する過程で活性酸素を生じ、これが細胞の酸化を引き起こして、機能低下の原因を引き起こすといわれています。体には細胞の機能を修復するメカニズムも備わっていますが、十分な休息とエネルギーが不足すると傷ついた細胞の修復が追いつかず、疲労が蓄積してしまいます。疲れているのに睡眠不足だったり、休息が取れないことで必要なエネルギーが不足してしまうと修復が間に合わず、さらに疲労が増すことになってしまいます。
睡眠の質の低下
睡眠は「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という2つの異なる質の眠りから成り立っています。レム睡眠は体が休息しているものの、夢を見たり、血圧や脈拍が変動するため、覚醒に向けた浅い眠りの状態です。一方、ノンレム睡眠は深い眠りについた状態で、脳波活動が低下し、脳がしっかりと休息しています。そしてこの深い眠りの中で成長ホルモンが分泌され、体の修復や再生が行われます。
脳の疲労は主にノンレム睡眠中に回復し、体の疲労は両方の睡眠で回復するとされています。一方、睡眠時間が足りていなかったり(7~8時間が推奨)、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害が原因となって脳や体が十分に休息できずにいると、疲れが取れないことがあります。
過度のストレス
ストレスやプレッシャーによる負荷の強い状態が長期間続くと、心身共に気が抜けず、緊張状態が続いてしまうことが疲労の大きな原因になります。例えば、仕事でのミスや人間関係のトラブルが頭から離れず、夜寝る前にも考え続けてしまうことで脳が休まらなくなり、結果的に寝付けなかったり眠りが浅くなるなど、睡眠の質が低下してしまいます。また、やるべきことが多すぎて整理できていない場合など、不安を感じて眠れなくなることもあります。
生活リズムの乱れ
生活リズムの乱れは、疲れやだるさの大きな要因となります。体内時計は体の様々な機能を制御・調整するという大切な役割を果たしています。ですが、不規則な就寝・起床時間は体内時計を狂わせて体のリズムを崩してしまうため、体は休むべき時間と活動すべき時間の区別がつかなくなってしまいます。特に、休日に遅くまで寝ることで平日の時間サイクルから外れてしまうと、体内時計の「ズレ」を戻すために脳と体はその調整に奮闘し、負荷がかかることで余計に疲れが出てしまいます。
運動不足
仕事や家事に追われる忙しい生活の中では、どうしても運動不足になりがちです。適度な運動は血流を促進し、酸素や栄養素を体内に行き渡らせる役割がありますが、運動不足になると筋力の低下や血行不良により疲労が蓄積しやすくなり、睡眠の質にも悪影響を及ぼします。その結果、「寝ても疲れが取れない」と感じることが増えてしまいます。
朝起きたらカーテンを開けて日差しを浴び、深呼吸を
朝起きたらまずカーテンを開け、なるべく30分以内に太陽の光を浴びましょう。朝、起床して太陽光を浴びると脳が「朝が来た」ことを認識し、体内時計をリセットする効果があります。そうすることで日中の活動リズムが整い、睡眠の質も向上します。また、日差しを浴びることで交感神経と副交感神経のバランスが整いやすくなり、深呼吸をすることも自律神経を整える効果があります。深呼吸は鼻からゆっくりと息を吸い込み、口からゆっくりと吐き出しましょう。
軽くストレッチをしよう
朝のストレッチは夜間の睡眠で固まった体をほぐす効果があるため、軽く行うだけでも健やかに1日のスタートを切ることができます。寝起きのストレッチは肩や背中の凝りを改善し、夜間に溜まったむくみを緩和する効果もあります。また、基礎代謝を向上させ、体を休眠モードから活動モードへと切り替える役割も果たします。朝のストレッチで体を動かすようにすると、脳への血流が増えて頭がスッキリとし、集中力もアップして日中のパフォーマンス向上にもつながります。
特に朝の起き掛けに行う背伸びストレッチが効果的で、仰向けに寝た状態で手足を大きく伸ばすと、全身を気持ちよく伸ばすことができます。
疲労回復に役立つ栄養素をとろう
栄養バランスの良い食事を三食しっかりとると、脳や体の活動に必要なエネルギーを十分に摂取できます。また、規則正しい食事は生活リズムを整え、自律神経の乱れを防ぐ効果があります。特に朝食は体内時計をリセットする役割があるため、朝はやることが多くて忙しいとは思いますが、軽くでも食べるようにしましょう。疲労回復に役立つ栄養素としてはビタミンB群が有効で、その中でも特にビタミンB1は糖質をエネルギーに変える際に欠かせないため、疲労回復に効果的です。ビタミンB1を豊富に含む食品は、豚肉、ほうれん草、玄米、大豆、ナッツ、魚介類などです。
疲労回復におすすめの飲み物
疲労回復に効果的な「お酢ドリンク」は、クエン酸を含むお酢を飲みやすくした飲料です。クエン酸には疲労物質である乳酸を分解・再利用してエネルギー代謝を活性化させる働きがあるため、疲労回復や食欲増進に効果があります。豆乳はたんぱく質やビタミンB群、鉄分を豊富に含んでおり、こちらも疲労回復に効果的な飲み物です。牛乳もたんぱく質、ビタミンB1、BCAA(必須アミノ酸)がバランスよく含まれているためおすすめです。
他にもビタミンCが豊富な果汁100%ジュース、カフェインが含まれているコーヒーや緑茶は、眠気覚ましや集中力向上に役立ち、香りにはリラックス効果もあります。
夕食は就寝の3時間前までに
夕食は就寝時間の最低3時間前までに済ませましょう。食べ物が胃に残った状態で消化しないうちに寝てしまうと、睡眠中、体が消化活動にエネルギーを使ってしまい、睡眠の質も落ちてしまうため、疲労回復に必要な力を十分に発揮できなくなります。
部屋を暗くして寝よう
睡眠を促すホルモンであるメラトニンは、周囲の明るさに影響されます。部屋を暗くすることでメラトニンの分泌が促進され、自然な眠気を感じやすくなります。就寝前には照明を少し落として薄暗い環境を作りましょう。暗闇が苦手な方は、間接照明を利用してリラックスできる程度の明るさを保つとよいですね。
適度な運動をしよう
運動は体だけでなく、心の健康にも良い影響を与えます。特に寝ても疲れが取れないと感じている方は、適度な運動を日常生活に取り入れることが非常に効果的です。運動を行うと全身の血流が改善されて高いリラックス効果が得られるため、心地よい疲れが心地よい眠りを促してくれます。週に数回、30分程度のウォーキングや軽いジョギング、10回程度のスクワットなどが疲労回復に役立ちます。
運動を習慣づけることはハードルが高いように思う方も多いでしょうが、まずは簡単に取り入れられる運動から始めてみましょう。大切なことは、無理のない範囲で自分に合った運動を行うこと、そしてそれを日常生活の中で習慣化していくことが継続の秘訣になります。
緑や森の香りでリラックスしよう
森林の香りは疲労回復に効果があるとされています。樹木が発する揮発性の化学物質であるフィトンチッドはリラックス効果が高く、自律神経のバランスを整える効果もあり、ストレスや疲労の軽減に役立つとされています。また、香りによる効果で副交感神経が優位になり、筋肉の緊張がほぐれて血流も改善します。自然の香りに触れる機会がない場合は、ヒノキ、モミの木、スギ、シダーウッド、ミントやバジル(ハーブ)のなどのアロマがリフレッシュや疲労回復に役立ち、自宅でも森林浴気分を味わうことができます。
無理をしないことも大切
人間の体調や気分には日によって波があったり、変化があることはごく自然なことです。波があることはご自身の性格によるものではなく、その時々のストレスや環境の変化によるものだったり、脳の疲労や脳機能、自律神経やホルモンバランスの乱れが原因となっていることが多いものです。特に疲れを感じている時には「今日はちょっとペースを落としてみよう」「無理せずに休もう」と考える柔軟さと、「自分自身を思いやること」も必要ですね。
とかく疲労が溜まりやすい環境にある現代ですが、寝ても疲れが取れないと感じた場合、まずは生活習慣を見直すことから始めてみましょう。睡眠の質を向上させる工夫や適度な運動、バランスの取れた食事を心がけることなど、体調を整えるための基本的で健康的な生活習慣が疲労を回復させるためには一番有効な方法であることは間違いありません。ですが、生活に支障が出るような疲労感が続く場合や心身の不調を感じる場合は、何かの病気が隠れている可能性もありますので、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
また、日常生活の中で知らず知らずのうちに蓄積されるストレスを解消することも大切です。リラックスできる趣味の時間を持つのもよいと思います。疲れにくい体と心を作る習慣を身につけることで、より健康的な生活を送ることができると良いですね😊。