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【知って労わろう❤こころとからだ】笑うことは心身に良い😀~心と体のつながり「心身相関」について~

はじめに

「病気」という漢字は気を病む、と書きますよね。この言葉には身体的な病気だけではなく、精神的な病気や不調の意味も含まれているようです。今回は心と体のつながりについて解説したいと思います。

皆さんはこのような経験はありませんか?プレゼンなど多くの人の前で発表する際や大事な試験が近づくと、体に不調を感じてお腹が痛くなったり、頭が痛くなったり。しかし、発表が終わったり、試験に合格したりすると、途端にその不調を忘れてしまうようなことはありませんか。他にも風邪を引いた時に心細くなったり、運動後にすっきりとした気分になったり…これらは心と体が密接な関係にあることを表しています。

心身相関とは?

心身相関は心理状態と体の状態が互いに影響し合うことを指します。ストレスによる負荷や喜怒哀楽といった心理状態が体の調節機能に影響を与え、さまざまな身体反応を生じさせます。

例えばストレスが引き起こす不安や怒りなどが生理的反応として消化器系、循環器系、呼吸器系などの臓器や、神経・内分泌・免疫系のホメオスタシス(外部からの変化や内部の変化に関わらず、生体が体内の状態を一定に保とうとする能力、恒常性維持)に変化を引き起こし、心身症としてさまざまな症状を引き起こします。具体的な心身症の例としては、過敏性腸症候群や緊張型頭痛が挙げられます。

体が心に与える影響

1.運動とメンタル

現代の生活スタイルでは座っている時間が長く、体を動かさないことが多くなっていると思います。 そこで簡単な運動を取り入れると、体はもちろんのこと、メンタルにも良い効果をもたらしてくれます。特に有酸素運動は脳内のエンドルフィンやセロトニンといった「幸せホルモン」の分泌を促します。セロトニンは精神の安定やストレスを軽減させ、エンドルフィンは痛みを和らげてリラックス効果をもたらし、気分を改善させます。定期的なウォーキングやジョギングは、不安やうつ症状の緩和にも効果的です。

2.腸とメンタル

腸は「第2の脳」と呼ばれるほど多くの神経細胞を持つ臓器で、腸には約1億個の神経細胞があり、脳に次いで多いそうです。腸は自律神経やホルモンを介して脳と情報交換を行うため、気分や行動にも影響を及ぼし、腸内環境のバランスが崩れるとストレスや不安が悪化する可能性があります。腸内環境を整えてベストな状態を維持するためには、普段の食事から食物繊維や発酵食品をバランスよく摂取すると良いでしょう。

3.笑顔とメンタル

笑顔になることは心と体の両方に良い影響を与えてくれます。笑顔を作ることでドーパミンの分泌が増加し、脳が「楽しい」と認識するそうです。これは脳の錯覚を利用した方法で、脳は表情筋が動くことで「楽しい」「心地よい」と認識するからだそうです。さらに笑うことで免疫細胞の一種であるナチュラル・キラー細胞(NK細胞)が活性化し、免疫力が高まって病気に対する抵抗力が増すことが研究により証明されています。

また、笑うことはドーパミンの分泌を促すため、健康効果だけではなく、記憶力や学習の効率、運動機能の向上にもつながるそうです。

4.姿勢とメンタルの関係

姿勢が悪くなるとメンタルに悪影響を及ぼし、自信の低下やストレス、不安感の増大、自律神経の乱れなどの不調を引き起こすことがあります。特に猫背などの悪い姿勢は血流を悪化させて脳への酸素供給を減少させるため、集中力の低下や疲労感、精神的な不安定さを招く可能性があります。

セロトニンは精神を安定させ、幸福感をもたらすと知られていますが、抗重力筋に働きかけて姿勢を保つ役割も果たしています。抗重力筋とは地球の重力に逆らって姿勢を維持するための筋肉で、セロトニンは抗重力筋の緊張を調整し、姿勢を維持する働きを助けます。

研究によると、正しい姿勢を保つことは自尊心や気分を改善する効果があるとされています。日常的に背骨をピンと立てることを意識して、ストレスを感じにくい状態を作れるように心がけましょう。

心が体に与える影響

1.ストレスによる不調

ストレスは体調不良の大きな要因となります。過度のストレスは自律神経のバランスを崩して睡眠障害や消化不良を引き起こしたり、免疫力が低下して風邪や感染症にかかりやすくなることもあります。 慢性的なストレスは心の健康を損ない、生活習慣病のリスクを高めます。さらに、ストレスが高い状態が続くと血圧が上昇し、脳卒中や心筋梗塞のリスクも増加するそうです。

2.うつ病による不調

うつ病は心の健康に影響を与えるだけでなく、体にもさまざまな不調を引き起こします。主な身体症状として慢性的な疲労感、頭痛、消化不良、睡眠障害、筋肉や関節の痛みが現れます。また、長期的なストレスにさらされて「ストレスホルモン」ともいわれるコルチゾールが副腎皮質から過剰に分泌されると、免疫力が低下したり、太りやすくなったり、高血圧、高血糖、骨粗しょう症などのリスクが高まります。このように、うつ病は心の問題だけでなく、体にもさまざまな不調をもたらします。

3.自律神経の乱れ

自律神経にストレスがかかると交感神経が優位になり、興奮や緊張した状態が続いてしまいます。この状態が長引くと副交感神経の働きが低下して疲労の回復が難しくなり、体の重たさや倦怠感を感じるようになります。他にも頭痛やめまい、息苦しさ、動悸、吐き気、腹痛、下痢など、身体にさまざまな悪影響を及ぼすことがあります。

おわりに

このように心と体は非常に密接な関係で結びついています。体の健康を保つことで心の健康も維持することができ、反対にストレスや不安感などによる心の負荷をケアをすることは、当然体にも良い影響を与えてくれます。まずは簡単なところから、日常生活に笑顔を取り入れてみてはいかがでしょうか。

笑顔と心身相関には強い結びつきがあり、たとえ作り笑いであってもストレス軽減し、幸福感や意欲を高めて心身に良い影響をもたらします。また、血行促進や自律神経を安定させる効果もあることから、日常的に笑顔でいることが心身の健康を保つ秘訣でもあるのです。

当然、毎日を笑顔で過ごすことは 難しいときもあります。体調が優れないときや嫌な出来事があったとき、笑顔を作るなんてちょっと無理…ですよね。そんな時には自分のためにだけでも「大丈夫だよ」と優しく微笑んであげましょう。

「笑う門には福来る」ということわざのように、笑顔を絶やさずにいることを心がけて、心身ともに健やかに、穏やかに過ごせる日々が増えるといいですね😀。