
味噌は健康に良いとされ、古くから日本人の食事にとり入れられてきました。味噌には健康に良い栄養素が豊富に詰まっており、単なる調味料としてではなく、非常に多くの料理に活用できる優れた発酵食品として日本の食卓を支えてきました。今では世界的にも味噌の認知度は高く、和食のブームや健康志向の高まりから再注目され、様々な観点での研究も進んでいます。
そんな日本人にとっては馴染みの深い味噌ですが、意外と味噌がもたらす健康効果のことをご存じない方もおられるのではないでしょうか。
今回は味噌が持つ豊富な栄養と健康効果について詳しくご説明いたします。
味噌は「医者いらず」と言われるほど、栄養素が豊富です。
たんぱく質、食物繊維、ビタミン、ミネラル、ビタミン、カルシウム、鉄分、酵素、イソフラボン、サポニン、レシチンなど挙げきれないほど沢山の栄養素が詰まっています。
味噌には「腸内環境を整える」「生活習慣病の予防」「老化防止」「メンタルを整える・ストレス軽減」などの健康効果が期待できます。「メンタルにもいいの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、味噌に含まれる「トリプトファン」「GABA」が心の健康にも良い効果をもたらしてくれます。
味噌には乳酸菌が豊富に含まれています。腸内環境を整えると免疫力も高まり、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスが良くなります。
緊張やストレスでお腹が痛くなることはありませんか?それは腸と自律神経が密接な関係にあるからです。自律神経を整えると腸内環境も良くなりますが、逆に腸内環境を良くすれば、副交感神経(リラックス効果)の働きが良くなり、自律神経のバランスが整います。
味噌には生きて腸に届く「植物性乳酸菌」が含まれており、ヨーグルトなどに含まれる「動物性乳酸菌」よりも生きたまま腸に届いて善玉菌を増やしてくれるそうです。
よく「味噌汁は沸騰させてはいけない」と聞きますが、味噌に含まれる乳酸菌は加熱によって死滅するため、発酵の効果を最大限に引き出すには、味噌を加えた後は沸騰させないことが重要です。乳酸菌を生きたまま摂取するためには、味噌汁の温度を50℃前後にする必要がありますが、ご家庭での調整は難しいですよね。しかし、死滅した乳酸菌も無駄ではなく、腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える効果があるそうです。
毎日味噌汁を飲むと「胃がん」のリスク低下につながるそうです。味噌の原料である大豆には、健康に良い影響を与える成分であるサポニンやメラノイジンなどが含まれています。
「メラノイジン」は大豆のアミノ酸と糖が反応して生成される、味噌などの発酵食品を熟成させる過程で作られる褐色成分です。この成分は強い抗酸化作用を持っており、健康に良いとされています。抗酸化パワーが発揮されると、がんの予防、特に胃がんや胃潰瘍などに効果が期待できます。
味噌に含まれる「サポニン」は活性酸素を除去したり、体内物質の酸化防止効果があるため、老化を抑制してくれます。他にも血中コレステロールを下げたり、血糖上昇の抑制、糖尿病、動脈硬化、脳梗塞などの生活習慣病の予防にも効果が期待できるそうです。
味噌汁の塩分が気になる場合は、塩分の排出を促進するカリウムを含んだ食材を入れることをおすすめします。カリウムはさつまいもやじゃがいも、里芋、ほうれん草やきのこ、人参などの緑黄色野菜、豆腐などに多く含まれており、カリウムがナトリウムの排出を促して体内の水分バランスを調整してくれます。
味噌には大豆イソフラボンが豊富に含まれています。イソフラボンを摂取すると美肌効果や更年期症状の改善に効果が期待できるほか、骨粗しょう症の予防にも効果があるとされています。
また、味噌には美白の効果もあり、味噌が発酵する過程で作られる遊離リノール酸はメラニンの合成を抑制する働きがあるため、化粧品などに配合されている美白成分アルブチンに匹敵する効果があるそうです。
さらに、味噌にはたんぱく質とアミノ酸が豊富に含まれているため、体内の組織や筋肉の修復、肌や髪の構造を保つサポートをします。また、味噌に含まれるビタミンB群はエネルギー代謝を活性化し、体全体の細胞の若々しさを維持する助けになるそうです。
ほかにも味噌にはビタミンEや、上記でもご説明したサポニンやメラノイジンが豊富に含まれており、これらが細胞の酸化を防ぐためアンチエイジングにも効果的です。年齢を重ねることで現れる更年期障害ですが、味噌に含まれる大豆イソフラボンにはこの更年期障害のさまざまな症状を緩和してくれる効果が期待できるそうです。
ここまでは味噌の健康効果について触れてきましたが、ここでは味噌の美味しい活用法について少しご紹介いたします。定番の味噌汁はもちろんのこと、それ以外に和食でも洋食でも、万能調味料として使える味噌の美味しい活用レシピは実に様々です。
まず、簡単に取り入れられるのがお漬物です。また野菜スティックにつける味噌ディップも簡単です。味噌そのままでも楽しめますが、マヨネーズなどの他の調味料を加えても美味しく召し上がれます。味噌に砂糖、醤油、すりごまを合わせてあえたほうれん草などの野菜を使った胡麻あえも簡単に作れますし、他にも炒め物や煮物に入れたり、お料理のたれやドレッシングにも使えて本当に便利です。
その他にも味噌を使った様々なレシピがありますので、ぜひ検索して味噌を取り入れた美味しいお料理を楽しんでみてはいかがでしょうか😊
味噌はまさに「栄養素の宝庫」と言われるほど健康効果が高く、優れた日本の伝統食品です。
味噌は毎日の食事に手軽に取り入れることができますが、塩分を多く含むため、過剰摂取には注意しましょう。特に高血圧や心臓病のリスクがある方は、味噌の摂取量をコントロールするか、減塩タイプの味噌の使用をおすすめします。
適度に摂取すれば、味噌は栄養バランスを整える助けとなりますので、さまざまな料理に活用して楽しみながら、毎日の食生活と健康のためにとり入れてみてください。