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インクルーシブデザインとは?概要と事例のご紹介
2025年04月15日(火) |

インクルーシブデザインの概要とユニバーサルデザインとの違い

こんにちは、近頃インクルーシブデザインが話題となっていますが、皆さんはどの程度ご存じでしょうか。

現代のデザインは、ただ見た目が美しいだけではなく、様々な人々のニーズに応えることが求められており、その中で、インクルーシブデザイン(包括的デザイン)が注目されています。


インクルーシブデザインとは

多様なユーザーを考慮し、誰もが利用可能なプロダクトやサービスを設計するアプローチです。


基本理念

インクルーシブデザインの基本理念は「すべての人が利用できること」です。

これは、年齢、性別、身体的能力、文化的背景にかかわらず、全ての人々が簡単にアクセスできるように設計されます。

このアプローチはアクセシビリティ(近づきやすさや利用しやすさ)だけでなく、ユーザーエクスペリエンス(商品やサービスがユーザーにとって使いやすくなり、売上が向上する可能性)を向上させることにもつながります。



利点

社会的公平性の向上


インクルーシブデザインは多様なニーズを持つ人々に配慮し、誰もが平等にサービスを享受できるようにします。

市場の拡大とブランド価値の向上

幅広いユーザーに対応することで企業は新たな顧客層を獲得できます。

社会的責任を果たす企業ともなれば消費者の信頼を得やすくなります。


ユニバーサルデザインとの違い

ここまでを聞くとユニバーサルデザインとどう違うのか分かりにくいのですが、その違いを以下にご紹介します。

インクルーシブデザインはユーザーの意見が反映されます。

それに対して、ユニバーサルデザインは公平性や柔軟性などの原則に基づくデザインです。

インクルーシブデザインでは特定の制約がある人々を対象とし、ユニバーサルデザインはすべての人々が対象とされます。

インクルーシブデザインは、デザインプロセス初期から積極的に排除されてきた人々を巻き込んでいきます。

一方でユニバーサルデザインは、特定の調整を必要とせず、多くの人々に対応できる単一のソリューションを提供します。


インクルーシブデザインの事例

ここまではインクルーシブデザインの理念とユニバーサルデザインとの違いをご紹介しました。ここからはインクルーシブデザインの事例をご紹介します。

ウェブアクセシビリティ

ウェブアクセシビリティにもインクルーシブデザインの考え方が反映されています。

政府機関や教育機関のウェブサイトでは、視覚障害者向けのスクリーンリーダーに対応したデザインが求められています。

例えば、テキストに代替テキストを追加することで画像の内容を理解できるように、また、色のコントラストを強め、視覚的な負担を軽減する設計がされています。

自動車業界

自動車業界では、身体的な制約を持つ人々に配慮した機能を多く取り入れている企業もあります。

例えば、運転席の高さを調整できる機能や、音声認識システムを導入することで運転がしやすくなっています。

スマートフォンのサービス


スマートフォンではアプリや標準機能にインクルーシブデザインが用いられています。

Apple製品の「VoiceOver」機能は、視覚に障害があるユーザー向けのスクリーンリーダーです。

この機能のおかげでデバイスを簡単に操作できるようになり、様々なアプリの利用を広げることに繋がっています。

(私にとっても必要不可欠なツールで、非常に重宝しています☆)


また、色覚多様性を考慮したカラーテーマの選択肢を提供することで、より多くのユーザーが快適に利用できるようになっています。

他にも次のような事例が存在します。

  • 視覚障害者の意見を取り入れた腕時計
  • セブンATM

(音声ガイダンスでの案内やテンキー式のボタンで、画面を触らなくても入力できる)

  • 手を使わずに履けるスニーカー
  • 子どもが飲みやすい薬
  • 肌の色に関わらない絆創膏



最後に

いかがでしたか。本記事ではインクルーシブデザインの利点と理念・ユニバーサルデザインとの違いとその事例についてご紹介しました。

インクルーシブデザインは「すべての人々が使いやすい」ようにを基本理念に、ウェブアクセシビリティやスマートフォン、自動車や消耗品の設計に役立っているようです。

この考え方はユーザーだけでなく、企業にとっても社会的信頼や売上向上などのメリットがあります。

ユニバーサルデザインとインクルーシブデザインとでは、「調整できるように」か「すべての人が使いやすいように設計する」かというようなところが違うようですね。

インクルーシブデザインは単なるトレンドではなく今後のデザインのあり方として欠かせない要素であり、様々なユーザーのニーズに応えることで、よりよい社会を実現するための一歩となります。

誰もが安全で快適にすべてのモノやサービスを利用できる環境が整うと良いですよね。