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聴覚障害とひとくくりにしてしまうと、「全く聴こえない」と思われてしまいがちです。

聴覚障害者と共に働くことになった時、「手話ができない」ことに不安を覚える方もいます。

聴覚障害の中でも様々な「違い」が存在していることはご存知でしょうか。

・先天的、幼少時に失聴

・ある程度言語が話せる時期に失聴(中途失聴)

・何かをきっかけとした難聴

全く「聴いたことがない」場合は、話すことがかなり難しくなります。自分で話す経験を持っていたり、会話ができるようになった後の失聴は、通常会話は周囲の配慮で可能なことが多いです。体調や環境によって聴くことができる状態が変化して、判別が難しくなるのが難聴と言われています。

さらに、難聴であっても補聴器を装着すればコミュニケーションをとれる方を「難聴者」と呼んだり、コミュニケーションの手段を手話としている方を「ろう者」と聴覚障害の中でも区別して呼んでいる場合があります。ですので、聴覚障害者だからといってすべての方が「手話」でのコミュニケーションをしなければならないということはないのです。

聴覚障害は様々な段階に分かれ、ひとりひとりの症状の度合いが違う可能性があります。聴覚障害者の雇用にあたっては、その段階や度合いをしっかり確認しておくことによって、職場でのトラブルを未然に防ぐことができるのです。

聴覚に障害があるということは、「聴く」ということだけでなく、そこから派生する「察する」ことがとても大変になります。聴覚障害者と働く場合、このことを忘れてないで欲しいのです。聴覚障害の方の職場でのトラブルは、この「察する」ことが不十分であることへの無理解から起こることがほとんどだと言えます。

  • 先天的失聴者に「暗黙の了解」はない

周囲の状況から判断する、何となくそういう雰囲気だ、いつもこうだからそうしよう

と日本人の長所でもあり短所でもあるこういう気質は、実は聴覚障害者、特に先天的失聴者には育つことが稀であると言われています。

本来、「雰囲気」や「微妙な判断」は視覚というよりも聴覚で覚えていきます。元々聴こえないため、微妙なさじ加減を経験することがなかったのです。自然に身に着くことがないので、仕事上でははっきり伝えてあげるしかないのです。

そして、聴覚障害があるのだから色々やってもらうのは当然!という様子に見える場合もあるでしょう。これも周囲の様子を聴覚で感じとりながら成長することができなかったのが大きな要因です。

むしろ、何でも言葉で表して意思疎通をする外国の人と似ているのかもしれません。

違う環境で成長し、考え方が違う相手であることを認識してもらえると、お互いの仕事がスムーズになることでしょう。

  • 補聴器は万全ではない

難聴者は、補聴器を活用すれば日常生活でのコミュニケーションはほぼ支障がないでしょう。ただ、それはあくまで「自分に話しかけられている」ことがわかるということが大前提です。

・目の前で話してもらうこと→口元や前後の内容からなるべく推察するようにしています。

・聴き取りやすい方向から話しかけてもらうこと→後ろから話しかけられた場合は「自分に」とは分からないことがあります。

・集団の場合は話す人がわかっており雑音が入らないこと→複数人が一度に話すと判別ができず、聴きとることができないでしょう。

聴覚障害の程度を周囲は理解していたとしても、「普通に」会話が出来ていた場合、相手に聴覚障害があるという感覚がマヒしてきて、今まで配慮してきたことを忘れがちになります。こうなると、本人から再度の配慮を依頼するのも気が引けますし、「聴こえているはずなのに…」という雰囲気が本人にも伝わります。残念ながら、こうしたストレスでうつ病を発症する障害者の方は多くいらっしゃるのです。

障害があってもなくても、人間関係でのトラブルは職場ではつきものです。

聴覚障害者の職場でのトラブルを未然に防ぐには、定期的な確認を忘れずにしていくことだけだと思います。