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厚生労働省が充実強化に取り組んでいる障害者雇用は、目標数値や支援があるとわかっていても、実際に採用・雇用する現場では雇用者にどのように働いてもらえばいいかイメージができないのが実情でしょう。

先天的にしても、後遺障害にしても、歩行することが困難な下肢の障害によって「車いす」の生活となっている方がいます。

バリアフリー対応や周囲の配慮が多少あれば、車いすでの日常生活や日々の活動ができる方が多くいらっしゃるのが特徴です。

障害者と言われて、最もイメージしやすいのは「車いす」の方だと思われます。

その「配慮」は、実際に車いすに乗っている方でなければわからないことが多々あります。

通常考えられる車いすへの配慮は、どのようなものでしょう。

・段差のない出入り口

・移動しやすいオフィス

・開け閉めしやすいドア

・多機能トイレ

などでしょうか。

実際に障害者雇用を促進する場合に、このような設備があれば問題なく雇用することができると思います。

車いすに乗っていない我々が、車いすに乗っている方と一緒に働くには、という現実的なイメージはここまでかもしれません。

ただ、車いすに乗っている方からすると、「多少の不便さは慣れている」ということも考えられます。

・すべての段差が解消されていることはない

・車いすの幅に合わせた道幅が確保されているわけではない

・世の中には引き戸ばかりではなく観音開きのドアはたくさんある

・十分に多機能トイレが普及できているとは言えない

車いすで生活していく中で上記のようなことはすでに経験されているはずです。

それでも、日々の生活を車いすで送っているのですから、不便さを乗り越える「知恵や工夫」を身に着けているのではないでしょうか。

そして、何から何まで車いすに付き添って「介護」する必要はないのです。

トイレはスペースが確保されていればいつも通り自分で行けるでしょうし、ドアの開け閉めは難しいようであれば手伝うぐらいで問題はないのです。

一緒に働いていく仲間としての配慮は、車いすの方はそんなに多くを望んではいないとも言えます。

車いすの生活をしたことがない者にはイメージがつかない「問題」によって、車いすの方の雇用が促進されづらくなっている現実があります。

車いすの方にとって、「通勤」は雇用される上で最も重要視するべき問題です。

勤務先が自宅と目と鼻の先にあるわけではありません。通勤時間がかかる職場の場合、いくつかの方法を考えなくてはならないのです。

・自動車で通勤する

・公共交通機関で通勤する

・自宅を勤務先近所へ転居する

自動車での通勤は家族の協力が必要ですし、自分で運転するとなると手動式の免許取得や自動車の購入、駐車場確保の問題あります。そもそも、職場に駐車場がない場合もあります。

転居も家族がいる場合には了承が必要ですし、独身だったとしても費用がかさみます。

現実的な通勤方法は公共交通機関での通勤となりますが、これが一番の「問題」となります。

・一般的な通勤時間とは比にならないぐらい時間がかかる

最寄駅より1本で通勤できたとしても、エレベーターでの上り下りは想像以上に時間がかかります。また、乗降時には交通機関の方の手助けが必要となります。乗換がある場合には、同じ手順を繰り返さなくてはなりません。通常で考えられる何倍もの通勤時間がかかることになるのです。

・ラッシュ時の乗降車に対する周囲の反応

公共交通機関には、車いす専用スペースがとられている事が多いですが、ラッシュ時にはその場所が確保されているとは限りません。狭くなっている車内に車いすが入ってくることに露骨な不快感を示されることもあるのです。混雑時には周囲の視界が悪くなるため、視野に入りにくい車いすは押されて怪我をしたり破損する可能性があります。

車いすの方を雇用する、一緒に働く場合、何よりも「通勤への配慮」が必要です。

通勤時間の融通や在宅勤務との兼ね合いなど考慮することにより、車いすの方が働きやすい環境が整えられることでしょう。